Product Review : LIB TECH TRAVIS RICE ORCA SNOWBOARD February 07 2019
Travis Rice シグネイチャーのニューモデルとしてリリースされたパウダー&フリーライディングモデル、Orca。
数年前までほぼツインチップオンリーだった Lib Tech からこんなシェイプのモデルがリリースされるなんてこれも時代の流れかなと感じつつ、やっぱり見逃すわけにもいかず、1月中旬くらいから乗ってみていますが、このボードがまたいい。
アウトラインを見た第一印象としてはやっぱり Gentemstick Mantaray が頭に浮かんできますが、実物を触ると、ボトムの構造、エッジの構造、そしてテール形状がまったく別物であることに気がつきます。
BANANA TECHNOLOGY
ボトム構造には両足の下にキャンバーと両足の間に強めのVロッカーが入っている C2X 構造を採用。後ろ足を踏むと自然にノーズが浮くのでパウダーライディングにはパーフェクトなうえ、センターより前が浮いているということは、接雪長、いわゆるホイールベースが短いということなので、タイトなツリーランや沢状の地形で高い旋回性能を発揮します。
MAGNE-TRACTION
雪面に触れている部分が短いということは、旋回性能が高い反面、高速安定性能が落ちるものですが、そこを補ってくれるのが波型のエッジ構造の Magne-Truction。エッジングの際、波型の凹凸の凸の部分に力が集中することで通常のエッジよりも効きがよく、アイシーなバーンでも無難にこなすことができちゃう何気に優れた構造です。
WHALE TALE TECHNOLOGY
後ろ足もとのキャンバーの終わりからタイトめなラウンドで立ち上がる通称 Whale Tale はサーフボードでいうフィンのような役割を果たし、急斜面やマッシュ地形などでテールが抜けることを防いでくれます。尾ビレを使って水面から飛び出す Orca のイメージですね。
PERFECT FLEX
もうひとつ、実はここが最大のおすすめポイントなのですが、フレックスがちょうどいい。ていうかやわらかい。ほんとに Travis がこれ乗ってんのか(しかも153に乗ってるらしい)ってくらいやわらかい。Lib Tech や Gnu はかっこいいんだけど硬くて。。と敬遠していた方にもおすすめです。
・・・と、ここまで熱く書いてきましたが、今季モデルは完売しております。
すでに来季 2019/2020 モデルが発表になり、ブラックベースのグラフィックも悪くなかったので、ぜひみなさまのご予約をお待ちしております。
TEL 03-5452-1974
sales@styrus.com
Product Review : K2 Taro Tamai Snowsurfer Boots January 25 2019
日本におけるフリーライディングスノーボードの先駆者のひとりである玉井太朗は、90年代の終わりに Gentemstick というスノーボードを生み出し、その後10数年を経て、K2 TT Snowsurfer というスノーボードブーツを生み出した。
この歴史というか順序はとても重要で、TT Snowsurfer というブーツは Gentemstick というスノーボードを理想の形で乗る、まさにその為に作られたブーツだと言える。
しなやかに柔らかく設計されたブーツは他にもある。ただそのほとんどはパークやグランドトリックという、他の目的の為に作られたもので、Gentemstick が表現している、ビッグジャンプやビッグドロップを含まない、地形を使って滑るタイプのフリーライディング専用のブーツは K2 TT Snowsurfer ただひとつと言っても過言ではないと思う。しなやかさだけではない。根本の設計からデザイン、細部のパーツにまでわたって、まさにその為に作られている。
僕自身、かれこれ20年近くにわたって玉井太朗という人を見てきているけれど、20年、いやおそらくそのもっと前から、彼のイメージする理想の世界は、まったくブレていない。
理想をもとめて Gentemstick を生み出し、開発を続けながら、その頭の隅で温められてきた、まさに構想期間20年の理想のブーツ。
Gentemstick を乗るすべての人へぜひおすすめしたい。
Outflow Snowboards - フレックスが生み出すもの January 20 2019
Outflow のボードってどんなボード?と聞かれた時にひとつ必ず特徴としてあげるのがボードのフレックスです。
スノーボード用語的にはフレックスがあるイコール柔らかい、しなやかであるということになるのだけれど、しなやかであるということは「踏める」ということであり、スノーボードをちゃんとコントロールするうえで「踏む」という技術は実はかなり大事な技術だったりします。
ボトムのロッカー構造やフラット構造の台頭により、ズラすことの可能性が広がり、リスク(逆エッジ)も減ったと言える昨今でも、ズラすことはやはり減速的行為であり、踏むことこそが一番の加速的行為であることに変わりはないわけで、そういう要素において Outflow のボードは踏むことで加速的にコントロールすることができる、最近ではちょっと貴重になりつつあるボードのひとつであると言えるでしょう。
しっかり踏んでコントロールすることが好きな中〜上級者の方はもちろん、数年前にスノーボードを始めて、結構滑れるようにはなって、とにかくまあまあ楽しめてはいるけれど、もう一歩上にいける気もする。。みたいな方こそぜひ一度 Outflow のボードに乗ってみてください。
どんなに道具が進化しようとも普遍的かつ重要な技術とも言える「踏む」という技術を体得する一助になると思いますから。